久しぶりに文藝春秋を買いました。文春に限らず雑誌というものを買うことが殆どなくなっているのですが、文藝春秋だけは、たまに(数年に一度程度ですが)買うことがあります。今回も2~3年ぶりかな。きっかけは、この新聞広告:

芥川賞

大学生が芥川賞を受賞したことをしばらく前のニュースで伝えていましたが、その時は特に興味を持つことはありませんでした。それが、この広告、日経新聞の2面に文藝春秋、見開いた3面に単行本で受賞作品『推し、燃ゆ』の広告が目に飛び込んできました。何とまあ上手い配置、「芥川賞」と「推し、燃ゆ」の大きな文字が右からも左からも!しかも単行本側の広告に”本屋大賞ノミネート”とまであるではないですか!これに惹かれ、且つ、文藝春秋では全文掲載だけでなく、受賞作以外にも塩野七生や半藤一利の名前があり、これに決めました(そんな大袈裟なことではありませんがー笑)。

受賞作品を読んでみて、やっぱり私には向きませんでした(残念)。若い作家の作品は、感性が違うのでしょう、ピンとくる事がなく、面白いとは思わずに読み終えました。選考委員の一人がこう言っています:

「私などにとっては、性も違い世代もかけ離れ、せいぜい日本人という共通点がある程度で、正直なところ、まあ異星人のようなものである。(中略)にもかかわらず、リズム感の良い文章を読み進めて、(中略)教官とも感情移入ともまったく無縁な心の震えに、自分でも途窓わざるをえなかった。」

さすが選考委員ですね、前半は私も同様ですが、後半には私の教養レベルの低さを感じさせられました(苦笑)。

文春

単行本でなく文藝春秋のいいところは、この受賞作が楽しめなくとも、他に興味のある記事がてんこ盛りという点です。短いですが塩野七生のエッセイ、磯田道史と保坂正康の半藤一利追悼記事、どれも興味深く読みました。コロナ対応での失敗の反省、医療制度の立て直しの特集記事等々、まだこれからも楽しく読めそうです。