気ままな独り言 (2)

思いつくままに、気ままに書き留めるブログ by 団塊世代シニア  http://blog.goo.ne.jp/shikohra から引越して来ました(2015年5月)

2020年05月

散歩のお供用アプリ「ハナノナ」が面白い

世間が自粛モードになって以来、私も電車での外出を控えていますが(4月以降皆無)、その分、健康維持のための散歩が増えています。勿論、人の往来の少ない住宅地を選んでですが。幸にもこの時期は様々な花が一斉に咲く時期のようで、赤、白、黄色から紫、薄青色など、これまでになく色々な花が目を楽しませてくれています。こんな状況だからこそ気付いたのかも。そんな時期に偶然出会ったのが、「ハナノナ」というiPhone用のアプリ。カタカナは読みにくいですが、”花の名”というより一瞬”?”というインパクトがあるのかな。千葉工業大学のソフトウェア研究室が開発した、AIを使って花の名前を判定するというアプリです。

1_1.ハナノナjpg

開発元が信頼出来ることと、AIで判定するという先進性に惹かれて、即、インストールしました。私が即決したのですから、勿論、無料(笑)。使ってみて満足しています。私自身、花は好きですが、正直、名前までは特に気にしないというタイプ。一緒に散歩する妻は大の花好きで名前もよく知っている(私からすると)のですが、それでも名前を知らない花も多い。そんな二人で散歩する時に、このアプリが格好の”お供”になります。

1_2操作画面

散歩中に気になる花があると、このアプリを開き、iPhoneを花に向けると、その場で名前を教えてくれます。瞬時のこともあるし、数秒、考え込む(?)ようなこともありますが(笑)。名前と合わせて、自信のほどの確率(xx%)も表示されるのも可愛いですね。妻との間で花についての会話が弾み、散歩が、ただ歩くだけでなく、楽しいものになります。

2_1 2_2

このアプリは写真撮影も出来るので、撮っておくと後で忘れた時にも役立つし、興味があればインターネットで特徴などを調べることも出来るんです(私はしませんが妻が時々)。また、花の名前は複数(俗称を含めて)存在することもありますが、それらの別名も表示してくれるという親切さ。

3_1 3_2

カバーする花の数が、当初は400種程度だったものが(4月にリリースされたばかり)今では700種を超えたとか、AIが学んでいるんですね。AIの今後の”学習”に期待しています。

『教皇たちのローマ~ルネッサンスとバロックの美術と社会』

日経新聞の書評で偶然見つけたのですが、タイトルだけでイタリア好きの自分にはとても避けることの出来ないものなので、アマゾンで即買いしました。塩野七生作品のように読者の心を躍らせるといった歴史読み物ではないのですが、教科書のように堅苦しい学術書でもない、その中間のようで、適度に研究書的ですが、決して退屈することなく興味を持って読み進むことが出来た本でした。塩野七生のように登場人物への人間的な著者の思い入れがない分(それが彼女の作品の面白味でもあるのですが)、客観的な観察、分析を興味を持って読みました。著作家(塩野七生)に対し、この本の著作者(石鍋真澄)はイタリア美術史を研究する研究者(大学教授)という違いもありそうです。

教皇たちのローマ

教皇については、塩野七生がルネッサンス期の4人の教皇を生身の人間的に描いた『神の代理人』という作品が好きですが、こちらは15世紀から17世紀まで32代(!)の教皇によるローマにおける美術と社会を、300ページを費やして丹念に追ったもの。既知の事実も多いのですが、歴史的事実の捉え方に興味を惹かれました。

*先ず、著者が述べているように、これは教皇と教皇庁の歴史であってキリスト教の歴史ではない。中世から19世紀のイタリア統一まで、教皇は一つの身体の中にパストール(宗教的指導者)とプリンチペ(教会国家の君主)という二つの人格、二つの魂をもつとされてきた、と。この本は後者、教会国家の君主という面からの歴史を追いかけている。

*その時代の教皇が対抗してた2大政治的勢力はスペインとフランスの国王、教皇選挙にあたるコンクラーヴェでは、常にその2大勢力の争いが中心となり、そのため、妥協の結果で選ばれた教皇が多い。とは言え、教皇としての良し悪し、能力は選ばれ方でないことも事実。

*中世後期以降、宗教的指導者というよりも、教皇領国家の君主的要素が強くなり17世紀半ばまでは、枢機卿そのものが聖職者ではなく、世俗から枢機卿に任命されるケースが増加。そのため、枢機卿の中から選ばれる教皇も元々の聖職者ではないことが多かったとは、意外な事実!

美術にまつわる分野では、ルネッサンスとバロックの比較も面白かったです。

*15世紀はフィレンツェ の世紀(ルネッサンス:ミケランジェロ、ラファエッロ)だったのに対し、16世紀はローマの世紀(バロック:ベルニーニ、カラヴァッジョ)となった。

*それぞれの代表的パトロン、スポンサーの役割をしたのは、盛期ルネッサンスはユリウス2世(ミケランジェロを重用)、それに対しバロック黄金時代の代表的強硬派ウルバヌス8世(ベルニーニがローマを築いたと言われるほどに活躍)。

*ルネッサンス美術はフィレンツェ 発祥で北イタリア(ヴェネツィア、ミラノ等)やイタリア中部(ローマ)にも拡大したが、基本はフィレンツェという都市の芸術。一方、バロック美術はローマで発祥し、ヨーロッパ他国の芸術家がローマに来て学び、広げたので、イタリア以外のヨーロッパ諸国にまで広まった芸術となった。

イタリアの歴史を見るにあたって、塩野七生流の胸躍る読み物とは一味違った見方を教えてくれた興味深い読み物でした。ただ、数多く掲載されている建物、絵画、彫刻などの画像がカラーでないのが残念ですが。イタリアは、様々な出来事を、様々な人々が、様々な角度から紹介してくれるので、私にとっては、いくら読んでも飽きることのない対象です。

オンライン授業が始まりました

私が通っている日伊協会でも、先週からオンライン講座が始まりました。世間では大分普及しているようですが、私にとっては初めての経験、不安と緊張がありましたが、トラブルなく上手くいきました。

1_0513歴史

TVやネット等で頻繁に目にするようになったZOOMを利用したオンライン・ミーティングに、やっと自分も参加出来たということで、先ず満足しました。講義に先立って事前に接続テスト体験があったことも役立ち、本番の授業にもスムーズに参加出来ました。

歴史と美術という2つのクラスに出席してみて感じた利点と課題があります。先ず利点ですが、何と言っても電車通学しないて済むことは有難い、片道小1時間、帰りは夕方なので結構混み合う電車に乗らずに済み、授業が終わって直ぐに自宅で夕方のハッピーアワーを楽しめるなんて!勿論、勉強の面でもメリットありました。

2?0515美術

教室の授業ではパソコン画面や画面を投影した映写スクリーンを使いますが、生徒は一定の距離を置いて見るものなので見易さはイマイチ、それに対しZOOMでは、先生のパソコン画面が自分のMacパソコンに表示されるので遥かにクリアで見易いのです。これはいい、予期せぬメリットでした。

一方で難点というか、オンライン授業ならではの課題もありました。

3_0513参加者

歴史のクラスは生徒が9人もいて、夫々が勝手に発言すると(質問だったり、コメントだったり、時には咳、クシャミも音なので)それらがインターネット回線上に交錯して聞き取りにくいことが度々ありました。一方で美術のクラスは生徒3人、しかも初回は1人が欠席で生徒2人だったので音声の行き交いで困る事はなかったです。少人数だと問題のないオンライン・レッスンも人数が多い場合には、先生に指名された生徒だけが発言するとかのルール作りとその徹底が必要ですね。

それと、もう一つ、教室だと授業の前後や帰路の電車で他の生徒との会話がありますが、オンライン授業では終わったら”ミーティングから退出”で接続遮断、生徒間の交流がないのがちょっと寂しいですね。

それにしても在宅でこれだけのことが出来るとは、テクノロジーの進歩に驚かされます。在宅での学びに慣れてしまって、尻に根が生えてしまわないかというのは、未だ喜憂かな・・・

カルボナーラづくりがステップアップしました

全く外食をしなくなり、家でパスタ・ランチをすることが増えている折に、インターネットでカルボナーラ Spaghetti alla Carbonara の秘訣に出会いました。これまでは、生卵に粉チーズを合わせて単純に混ぜたものをソースにしていたのですが、(これはTVでイタリア人が言葉のみ、映像なしで紹介していた生クリームやバターを使わない簡単レシピ)、レストランで食べるもののような粘りがでない(水っぽい)ことが物足りませんでした。それが、今回の自粛在宅中に見つけた秘訣というのが、生卵を湯煎するというもの。え、それだけ?大したことではないのですが、試してみたら大成功!私だけが無知で、世間では常識だったのかもしれませんが(苦笑)、でも嬉しくて、嬉しくて・・・

1_1湯煎前 1_2湯煎後

生卵を小さなお鍋に入れた状態で(左)、スパゲッティを茹でる前に大きなお鍋につけてスプーンでかき混ぜる、ほんの数分(2~3分)で重湯風になるので(右)、湯煎はそれで十分。

2混ぜる

茹でたスパゲッティをフライパンに移し、湯煎した卵と粉チーズを加えてトングで混ぜるだけですが、よく絡みます。湯煎するだけで、こんなに違いが出るとは驚き!Bravo !

3_1完成  3_2食卓

ベーコンを加えてお皿に盛り、パセリ(家で鉢植えしている、イタリアンでない日本パセリですが)を加えたら、イタリアで食べるような Spaghetti alla Carbonara の出来上がり。

元ネタは料理好きのイタリア人男性の作り方ですが、信頼性あり。至極簡単で美味しい、言うことなし。この方法を知って以来、ほぼ毎週カルボナーラを楽しんでおり、これは自粛解禁後も定着しそうです。

「地図で見るイタリアハンドブック」でイタリア旅行

ユニークな本に出会いました。面白い読み物ではないのですが、イタリア好きの小生には興味深いトピックを並べた、統計データをカラー図解(地図やグラフ)で示したものです。

1_表紙

面白いことに、著者はイタリア人でも日本人でもなく、フランス人、地理学と歴史学の二人の教授なんです。それで原題は Atlas de l’Italie contemporaine とフランス語。現代イタリアの地図帳、といったところでしょうか。

2_目次

カバーしている項目が36項目、3つのイタリア、100の都市のイタリア、言語の問題、イタリア式家族、カトリックの刻印、危機にある民主主義、ポピュリズム、教会の影響力、イタリア:芸術の母、イタリアの特産品と料理、影響下のメディア、メイド・イン・イタリー、世界の中のイタリア人、等々・・・幅広い分野に渡ります。

3_1北中南 3_2世界
どれも興味深いトピック、どれから読んでもいいのでしょうが、後日舞い戻ることがあるでしょうから先ずは順番に読んでみました。文章と図解の組み合わせが実に上手く構成されています。フランスで初めて出版された2011年の後、2019年に更新されたようなので、統計データとしてもしっかりしているようです。上の写真、左はイタリアを北部、中部、南部の3つに分けるという3分割モデルに基づいた統計データを地図で表示したもの。右は世界の中でイタリア人がどのように広がってきたかを示したもの。数値だけなく、地図の組み込むことで分かり易く提示してくれています。

4メディア

上部の表はイタリアの10大新聞の所在地、創業年、傾向(独立系、中道系、スポーツなど)、発行部数を一覧にしたもの。下部はヨーロッパにおける日常的に新聞を読む人の数を国別の棒グラフにしたもの、スウェーデンがトップ、ドイツ、オランダと続き、イタリアは8番目(赤棒)、その後にポルトガル、スペイン、ギリシャと地中海諸国、EUで言う南ヨーロッパ諸国が続くのは予想通りかな(笑)。

その他にも興味深いデータがいくつも、例えば:

*家庭で標準イタリア語だけ話す家庭は半分以下、イタリア語と方言の両方を使う方が多い

*EUの中でイタリアは出生率が最も低く、高齢者比率が最も高い。出生率の最も高いのは北東部のトレンティーノ・アルト・アディジェ州(意外!)、次いでシチリア 、ナポリのあるカンパーニャ州の順。

*カトリックの国と言われながら、毎週一度以上ミサに出席する率は、プーリア州以外は全て4割以下。何度かイタリアを訪れての私の実感もその程度。

*外国からの移民はルーマニアが圧倒的トップ、次いでアルバニアとモロッコがその3分の1程度、第4位が中国(2018年で約30万人)!ルーマニアはそもそも英語表記だとRomaniaとなるように、ローマ帝国が築いた国という自負とイタリアへの親しみがあるようです。

*オペラの初演件数は、19世紀はパリのオペラ座が群を抜いて1位だったが、20世紀はミラノのスカラ座が首位。

等々、面白いですね。これだけの作業は、フランス人だから出来たのかな、イタリア人では無理かなとも思わせるし、イタリア人にすれば、この手の統計とか数値的分析には興味がないのかもしれませんね。多くのイタリア人は自分の故郷・街以外には関心がないようだから(?)でもイタリア好きの私にはとても興味深いもので、今後も折に触れて特定のトピックを読み返してみたくなる本です。

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